
今話題のショールーミングストアとは?実施するメリットや実施店舗の事例を紹介!
近年アパレル業界を中心に、消費者のライフスタイルの変化に対応した新たな販売戦略として、ショールーミングストアが注目されています。
商業施設や百貨店の間でも、ショールーミングストアは徐々に浸透し始めており、実施を検討する企業が増えています。
とはいえ、「最近よく聞くけど、どのような仕組みなのかあまり理解できていない...」「自社で実施するメリットはあるのか?」などと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はショールーミングストアの基本的な仕組みや注目されている背景、事例と併せて実施するメリットを分かりやすく解説します。
「ショールーミングストアの理解を深めたい」「新たな戦略としてショールーミングストアを取り入れたい」と考えている方は、本記事を最後までご覧いただき、効果的な販売戦略にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.ショールーミングとは?
- 2.なぜショールーミングストアが注目されているのか?
- 2.1.消費者のライフスタイルの変化
- 2.2.D2Cブランドの急激な増加
- 3.メリット
- 3.1.商品やブランドの信頼度を高められる
- 3.2.顧客満足度の向上
- 3.3.過剰在庫の削減
- 4.ショールーミングストアの事例
- 4.1.ZARA
- 4.2.LaLaport CLOSET
- 4.3.tenjii
- 5.今話題のショールーミングストアを効果的に実施しよう!
ショールーミングとは?
ショールーミングとは、消費者が実店舗で商品の品質やサイズなどを確認した上で、オンラインショップにて購入する購買行動のことを指します。
ネット活用に慣れている現在の消費者は、「いかに失敗せずに商品を購入できるか」を重視している傾向にあります。
そこで、消費者がネット上で商品を比較検討する際の「実物を確かめてから購入を決定したい」という消費者ニーズを捉え、実店舗から自社サイトへの購入を促す新たな店舗形態として生まれたのがショールーミングストアです。
なぜショールーミングストアが注目されているのか?
消費者のライフスタイルの変化
インターネットの普及やコロナの影響により、オンラインショッピングの需要がさらに増加し、消費者にとって店舗は商品購入の可否を決定する判断の場という位置づけになってきています。
実際に、ネオマーケティングが男女1000人を対象に「オンラインで商品を購入するまでの行動」を調査したところ、実店舗に行って商品を比較検討すると回答した人が46.9%と全体の約半数を占める結果となりました。
出典:https://neo-m.jp/investigation/3227/
上記のような傾向を踏まえ、各企業では自社商品を他社サイトで購入されてしまうような機会損失を避けるため、自社サイトでの購入を促す施策としてショールーミングストアが注目されるようになりました。
D2Cブランドの急激な増加
ショールーミングストアが注目されている背景の1つに、D2Cブランドの急激な増加が挙げられます。
D2C(Direct to Consumer)とは、企業や個人が商品の企画から製造、自社ECサイトでの販売まで、すべてのプロセスを一貫して行うビジネスモデルのことを指します。
SNSとの親和性が高く顧客と関係性を構築しやすい点や、実店舗での店舗運営リスクや人件費を削減できるなどのメリットがあることから、市場規模は年々増加しており、2025年には3兆円に達すると予測されています。
しかし、商品・ブランドの認知度を訴求するWebマーケティング戦略が高度化しており、運営に苦戦する企業も増えています。
こういった状況から、リアル広告媒体としてブランド認知度向上や顧客体験を高められるショールーミングストアがD2Cブランドの間で注目されています。
メリット
商品やブランドの信頼度を高められる
オンラインでの販売を中心とするD2Cブランドの潜在顧客の中には、「デザインは気に入っているが、品質やサイズを直接確認できない」などの理由に商品購入に至らないケースもあります。
価格が比較的高いブランドでは、より品質の高さが重視される傾向にあります。
そういった顧客の不安要素を解消する施策として、D2Cブランドを中心にショールーミングストアが注目されています。
実店舗にて品質やサイズ等を実際に確認してもらい、商品やブランドへの信頼度向上を図ることで、今後オンライン上で商品を購入してもらえる可能性が高くなり、リピート顧客の獲得が期待できます。
顧客満足度の向上
ショールーミングストアは、商品をオンライン上で購入するため、当日に商品を持ち帰る必要がありません。
そのため、レジや梱包等の業務を行う必要がなく、スタッフは接客に注力することが可能です。
通常の店舗と比較して、1人の顧客に対して余裕を持った接客が可能となるため、顧客満足度の向上が期待できます。
また、ショールーミングストアはテストマーケティングの場としても活用できるため、顧客の声をデータとして収集し、今後の商品開発や改善につなげることができます。
過剰在庫の削減
物流と販売が分かれているショールーミングストアでは、必要最低限の在庫のみで店舗を運営することが可能です。
そのため、在庫管理にかかる手間や人件費、在庫を保管するための場所を大幅に削減できます。
過剰な在庫負担の抑制は、店舗を運営する上で、大きなメリットと言えるでしょう。
ショールーミングストアの事例
ZARA
INDITEXの基幹ブランドである「ZARA(ザラ)」は、六本木に専用アプリを介して試着予約やECサイトで購入ができるショールーミングストアを、2018年に期間限定でオープンしました。
専用アプリからQRコードで商品を読み取り、サイズを選択して試着予約をすると、待ち時間が表示され、準備が整うと通知が届くシステムです。
購入はECサイトか店頭でのレジ支払いの2つから選択でき、受け取りに関しても、自宅配送か他店を含む店舗受け取りを選択できるようになっています。
ほとんどの来店客が、試着の待ち時間や商品を持ち帰らずに済む利便性を評価しており、特に赤ちゃんを連れた母親からは好評となりました。
LaLaport CLOSET
ららぽーとTOKYO-BAYにある「LaLaport CLOSET(ららぽーとクローゼット)」は、複数の人気ブランドのアイテムをまとめて試着することが可能です。
店内は、お子様と一緒に入れる広い試着室が設置されているほか、無料で計測できる3Dボディースキャナーやカフェラウンジも併設されており、家族で買い物を楽しめる話題のスポットとなっています。
また、お得にパーソナルカラー診断を受けられるイベントなどを定期的に開催するなど、顧客体験を重視した店舗となっています。
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tenjii
「tenjii(テンジー)」は大阪の商業施設を中心に、ポップアップ型のショールーミングストアとして、株式会社イーストが各メーカー企業とタックを組みオープンしました。
アパレル商品に限らず、コスメや家電など幅広いジャンルの商品を展示しており、展示用の製品であることから、気兼ねなく触って使用感を確認できる点が最大のポイントとなっています。
会場に掲示しているQRコードから、各社のオンラインストアに遷移するシステムとなっており、店頭ではまだ体験できない新商品やオンラインストアでしか見られない製品を直接体験できる場として、好評のストアとなりました。
今話題のショールーミングストアを効果的に実施しよう!
今回は、アパレル業界のショールーミングストアについて、注目を集める背景や実施するメリット、事例について徹底的に解説しました。
ショールーミングストアを実施するメリットは以下の通りです。
【ショールーミングストアを実施するメリット】
・商品やブランドの信頼度を高められる
・顧客満足度の向上
・ローコストで過剰在庫の削減
効果的なショールーミングストアの実施に向けて、本記事を参考にぜひ取り組んでみてください。
「ショールーミングストアは初めての取り組みで、自社のみで運営できるか不安」「新しいチャレンジをサポートしてくれる企業を探したい」と悩む企業は、ファッションビジネスコンサルティングサービスを提供しているプロに相談することもおすすめです。
客観的な視点によって、自社のみでは発見できなかった魅力や特徴を抽出できるといったメリットもあるため、上記のようなお悩みをお持ちの企業は、相談だけでもしてみるとしてみると良いでしょう!
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