
アパレルショップ店員の離職率を低下させる3つのポイント
離職率の高い業種は数多くありますが、なかでもアパレル業界は高さが課題になっています。
売上を積み上げるには優秀な人材を育成することが必要不可欠。販売スキルの高い人材は、事業を存続していくためにも欠かせません。
この記事では、アパレルショップ店員の離職率が高い原因と、離職率を低下させるために押さえておきたいポイントについて紹介します。
アパレルショップ店員の離職率が高い理由
厚生労働省が2016年3月に卒業した就職者の離職状況を調べた調査によると、アパレルを含む小売業の入社3年以内の離職率は大卒で約37%、高卒で約50%という結果になっています。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
なぜアパレル業界の離職率は高いのでしょうか?
安すぎる給料
ショップ店員は給料が安いことで知られています。
一般的なアパレルショップ販売員の月収は16~20万円。ほかの業種に比べても低めです。
また、給料に対して必要経費も多く、仕事着として自社ブランドの服を自費で購入する必要があるほか、外見をきれいに維持するための出費もかさみます。
出典:平均年収.jp「ショップ店員(正社員)の年収や給料など詳しく解説します!」
給料が少ないうえに出費が多いことで生活が苦しくなり、生きていくために転職するという声が多く聞かれます。
キャリア形成の難しさ
ショップ店員の離職理由には、「先が見えない」というキャリア形成に関する不安もあります。
もちろん、どの業種でもスキルを鍛えることはできますが、資格が必要な専門職ではないため、将来に不安を感じる販売員が多くいます。
キャリアの序盤は店長になることを目標とし、そこからSVやマネージャーといった本社勤務を目指すのが一般的なアパレルのキャリアアップですが、役職が上へ行くほどポストの数は少なくなります。
また、結婚や出産といったライフステージの変化で土曜・日曜や祝日の勤務が難しくなる場合もあります。
キャリア形成の難しさや、将来への不安が離職へとつながっていくのです。
体力的な辛さ
体力的な問題で離職するショップ店員も多くいます。
仕事中は常に立った状態で接客します。アパレルショップの仕事は、接客だけでなく商品の詰まった重たい段ボールを運んだり、レイアウトの変更で什器を移動させたりと、力仕事もあります。
セールや繁忙期には通常業務とは異なる店頭準備なども行うため、体力的な辛さが離職理由になることもあります。
他社への転職が多い
アパレル業界は他社への転職が多い業界でもあります。
もともとそのブランドが好きで入社したとしても、年齢を重ねることでブランドの服が合わなくなったり、ほかのブランドが好きになることもあるでしょう。
販売という職種であれば、アパレルに限らずより条件の良い場所で働きたいと思うのは必然です。ショップ店員の経験を活かして、給料や条件が良いほかの業種へ転職するということも少なくありません。
アパレルショップ店員の離職率を低下させるポイント
良い店舗をつくるためには、人材の強化は大切な要素です。
ここからは離職率を低下させるために、押さえておきたいポイントを紹介します。
労働に見合った給与体系
労働や拘束時間に見合わないと感じれば、スタッフの心は離れていきます。しかし、簡単に基本給を上げることは困難です。
解消策としては、評価制度を取り入れ、将来の展望やインセンティブを明確にするという方法です。以下のような施策は従業員のモチベーションアップに向上します。
- 明確なキャリアアップ(給料アップ)の展望
- 残業代や休日手当の支給
- 売上目標達成時のインセンティブ
また、業績悪化に伴う減給や、残業代や休日手当てを出さないなどの対応は、コンプライアンスに抵触するため適切ではありません。離職率に大きな影響を与えるため、慎重に検討しましょう。
社員同士のコミュニケーションを活性化
人間関係は離職率に大いに影響します。
人間関係を構築できていなければ、仕事に対する高いモチベーション維持や向上は見込めず、業務効率も低下します。
特にアパレルショップは比較的拘束時間も長く、売上や集客のノルマなどが設定されている場合もあるため、次のような機会を設けて従業員のコミュニケーションを図ることが重要です。
- 定期的な個人面談
- 社内勉強会
- イベントや交流会
上司、同僚、部下に自分が思っていることを素直に言い合える場や、販売員の不安を解消できる環境づくりを検討しましょう。
仕事への不安を研修で取り除く
自身のスキルアップを実感できない環境は、仕事へのやりがいを見出せず、結果離職につながることもあります。
特にキャリアが浅い場合は「業務がよくわからない」という不安から離職を考えるケースも多いです。接客業のノウハウを知らずに業務をこなしていれば、イレギュラーな事態が発生したときに適切な対応ができず、仕事に対する不安も高まるでしょう。
このような場合に必要なのは教育です。社内研修を通して接客スキルを強化することで、キャリアの浅い場合でも不安を払拭できます。効果的な接客の方法や、仕事の本質を理解してもらうことで離職率を低下させることが可能になります。
まとめ
アパレル業界は、他業種と比較しても離職率が高い業界です。
優秀な人材を得るためにコストを投資しても、すぐに離職されては採用コストとの費用対効果が合いません。
しかしながら、給与の増額などはすぐに取り入れられる施策ではないことも事実です。新入スタッフや新卒社員の離職率を低下させるために、すぐに実践できる施策としては、教育研修がおすすめです。
エス・グルーヴでは、ファッション・ビューティー業界で長年培ってきた実績とノウハウで、効果的な販売指導や教育研修を行い、人材に関する悩みをサポートします。教育研修プログラムはニーズに合わせたカスタマイズも可能。丁寧な教育研修制度の導入は、社員のロイヤリティを高め、仕事に対する不安の解消にも役立ちます。
アパレルショップ店員の離職率にお悩みの方は、ぜひ一度、エス・グルーヴの教育研修を検討してみてはいかがでしょうか。